いかがお過ごしですか?
さて、常日頃から、
よりよい環境、より意義のあるカウンセリングの時間を
ご提供していきたいと思っております。
こころも頭もひねりながらではありますが、
至らない点など多々あるかと思います。
そのような中で、いつもより多くの方に
ご連絡、ご予約をいただき、大変感謝しております。
また、近隣からご紹介をいただくことが増え、
地域のみなさまに認知していただけることは、
本当にありがたいことと思っております。
ご予約の取りづらい場合もあり恐縮ではございますが、
ぜひお時間を調整をさせていただけたらと思っております。
完全予約制のため基本的に留守番電話につながることが多いのですが、
ホームページのお問い合わせフォームからも
お問い合わせ、ご予約を承ります。
ご返信、ご予約確定までには、
メールをいただいてから多少の時差が出てしまいますが、
ぜひお気軽にお問い合わせください。
さて、表題の「冬季性のうつ?」についてです。
寝ても寝ても眠くてしかたがない
疲れやすく、やる気が起きない
集中できなくなった、判断力の低下
以前できていたことがこなせなくなった
楽しく思えていたことが楽しくない
ご飯がおいしくなくなった、食欲が出ない
炭水化物や甘いものを食べすぎてしまう
などなど・・・
日が暮れるのが早く、ふと気づくと外は真っ暗で、
なんとなくブルーな気分になりやすく、
元気が出ない・・・そういった状態になりやすい時期です。
上記のような症状が重い場合、日常生活に支障が出てきます。
それが、冬季性のうつと呼ばれています。
10月から12月あたりに症状があらわれはじめ、
日差しが長くなる3月頃になると回復するという、
毎年の「周期性」であるのが特徴です。
自然に回復していたりするので、気づきにくいものでもあります。
「セロトニン」という脳内物質が不足してしまうなども、要因となります。
こころの不調については、自分は弱いからとか、他の人はガマンできているのに・・・
と比べてしまって過小評価してしまいがちですが、
強い、弱いではありません。誰にでも起こりうることです。
人によってあらわれ方が違うのは、人によって生活の変化の大きさや、
環境の違いや、それまでのストレスの大きさが違うからです。
気づいてあげる必要があります。
同じ出来事でも、人によってとらえ方は千差万別だからです。
たとえば、Aさんにとっては、たくさんの人のいる場所や、
忙しいことがストレスになりますが、
Bさんにとっては1人でいることや、
ぽっかりとあいた時間を過ごすということが辛いことであったりします。
または、「注意をされる」という出来事でも、人よっては親切で言ってくれた・・・
と感じますし、
ダメなところを批難されたと落ち込む方もいるでしょう。
「自分自身のものごとの意味づけ」について、客観的に見ることが大切です。
評価しながら過去のことを思い出してしまうと、
ますます落ち込んでしまったり、ふたたび怒りがこみ上げてきたりします。
そうなってしまっては、元も子もありません。
そして、ひとくちにカウンセリングといっても、
何をどのように変えていきたいのか?
何が問題になってきたのか、
何が問題になっているのか?
(自分が問題と思っているだけで、実は問題が生じていないこともあります)
変えていきたいと思っていらっしゃることは
現実的なゴールであるのか?
そのために取れる行動は?など、
すべてオーダーメイドで進めていきます。
目標設定を慎重におこない、徐々に調整していくことが鍵となるでしょう。
「なぜ今、カウンセリングにいらっしゃろうと思ったのか。」
というみなさまお一人お一人の動機の中にあります。
なにかきっかけがないと、
カウンセリングを受けようという行動は起きなかったはずだからです。
ですから、最初にお聴きする「何にお困りになって相談に来られたのか」、
(そのことは「主訴」とよばれますが)
「なぜ今、カウンセリングにいらっしゃろうと思ったのか」
それらの事柄が、暗闇での灯台のように、
カウンセリングの道筋を照らしてくれる手がかりとなります。
軌道にのるまで困難を感じることもあるでしょう。
ものごとが複雑化している場合は、
もつれた糸をほどく それ自体に時間がかかることもあります。
言葉にはまだできないけれど、漠然と不満や不調を感じている・・・
そういった思春期のお子さんとも多く関わらせていただいています。
ですので、私たちは様々な表現方法を、お話し合いの上で取り入れていきながら、
カウンセリングを行います。
その方法というのが箱庭療法であったり、
その方の見た夢の報告をいただくことであったり、描画法であったり、
音楽、本、漫画、アニメ、ゲーム、芸術、劇、
写真、創作、料理、旅行、自然、科学、運動など・・・
その方が身近に感じていらっしゃる、表現しやすいツールを通してのお話をお聴きし、
それらのツールが助けとなって体験を共有させてくれます。
自分自身の内なる世界との対話・交流をおこなっていくことでもあります。
外・内のどちらかだけではなく、両方をコツコツと・・・
それは車の両輪のように、私たちを支えて走らせてくれるものです。
そのためには、一度に多くのことを変えようとしない、完璧を目指さないなど、
「徐々に」という配分を、私たちカウンセラーが専門的に見立てていきます。
心のエネルギーが流れ始め、行動に変化があらわれます。
それは 劇的な、高い理想への変化ではなく、
現実的な、小さな変化であったりしますが、
カウンセリングを通して、自分の気づかなかった自分の中に眠っていた
資源との出会いがあるからでしょうか?
ご自分の中に「もともとあった宝」を発見するような新鮮さ、
広がった感覚をおもちになることも多いように感じます。
最後になりますが、
ストレスや辛い出来事により、自信や希望を無くすことは、
私たちの心身の元気を弱め、視野を狭め、
傷つきやすくするそうです。
それは、自分の中だけで、はたまた
カウンセリングだけで回復できるものではありません。
人の中で、人との良い関係の中でこそ、自らの中に復活していくものです。
繰り返しになりますが、
自分が弱いから、あの人は強いから、
そういうことでは決してなく、辛い状態が続けば、
誰もが弱ってしまって当然のことなのです。
再び失敗してしまったら、それはまた深い傷つきになりますから、
カウンセリングにその負担を安心して持ってきていただけるよう、
そんな信頼関係を持てるよう、真摯に対応していきたいと思っています。
どうしても、私たちは過去への後悔、将来への不安などにとらわれがちですが、
「今、ここ」に意識を向けていくこと、
「今、ここ」にある自分の状態を認めていくことから、
変化は起こります。
まさにカウンセリングが「今、ここ」の 50分間のライブであるゆえんかと思います。
自らの中にある変化、成長への種・実をあたためながら、
冬を越していけたら幸いです。